「オムニチャネルに取り組むことで、小売業界全体の地位をあげていきたい。ECの施策も最終的には店舗営業につなげ、お客様に喜んでもらえ、お店が儲かり、給与があがって従業員もハッピーになるというサイクルをつくりたい」と語るのは、入社から3年でEC事業の売上を5倍にした株式会社メガネスーパーの川添隆氏。

 2017年6月14-15日(水・木)に行われる 
マーカスエバンズ CMO Japan Summit 2017 にて講演者としてご登壇いただく川添氏にお話を伺いました。

これまでEC事業の中で行ってきた取り組みの中で、一番ブレイクスルーになったと思うことは?

自社ECサイトの大幅リニューアルへの投資が決まったことです。私が入社した2013年頃は会社が赤字で債務超過が出ている状態だったので、ECサイトリニューアルへの投資に対して内部・外部ともに決裁が出るのが難しかった。しかし社内外で交渉を綿密に進め、決裁が通ったことで、現在のデジタル施策のメインとも言えるLINE公式アカウントや、ECの成長を支える店舗かつオムニチャネルの基盤になっている優れたECシステムを導入することができました。もし、あの時投資が難しいことを理由にグレードの低いシステムを導入していたら、現在のようにデジタル事業を進展させることはできなかったと思います。

ECチームの組織づくりで心がけていることは?

私は途中からチームに入ったのですが、既存のメンバーを活かしていくことを大前提として、それぞれに裁量権を与えることを意識しています。もちろん相談にはのりますが、自分で考え、実施し、結果を検証して改善につなげられるようになってもらいたいと思い、それぞれの実力や適性に応じて、少し大きな課題を与えるようにしています。自身に対しても、ECの予算達成を大前提として、デジタル戦略の中身などは経営側に指示されることなく自分の裁量で組み立て、承認を得て、動かせてもらっています。自走できるチームをつくっていきたい。そうしないと組織が強くならないと思っています。

SNSやメディア等を通して、自ら積極的に情報発信をしている理由は?

まずは「会社のPRのため」です。小売業界全体ではデジタル領域の動きがまだまだ遅いと捉えています。メガネスーパーという社名だけだと単なるメガネ屋と思われがちですが、私がデジタルに関する情報発信をすることによって、会社全体としての露出拡大につながります。ある意味、デジタルでの成果を利用して、会社全体の「アイケアカンパニー」としての情報発信につながればという思いがあります。

次に、「交渉力をあげるため」です。弊社のEC事業の規模がそこまで大きくはないので、ビジネスの額以上のビジョンや武器をもっていないと対等に戦えないと感じています。メディアを通じて知名度と発言力をあげていくことで、様々なマーケティングツールを導入する際、それが交渉材料として有利に働きます。

最後に「全国のEC担当者を勇気づけるため」です。小売業界ではまだデジタル・EC領域に本気で取り組んでいる企業は少ない、もしくはブレイクスルーできていないのが現状です。ECはやらなくていい、と言われたり、逆にある日突然オムニチャネル推進をやるように要求されたりする。そのような担当者を応援するために、自ら情報発信を続けています。

今後、会社また個人として取り組んでいきたいことは?

会社全体としては、お客様一人一人の「眼の健康長寿」を延ばすためにサポートする「アイケア」を普及していくことです。単なる価格やモノで勝負するのではなく、「見える体験」を通じて、お客様の人生を豊かにしていくサポートを、長期にわたってしていきたいと考えています。

次に、小売業界全体の地位をあげていきたいと思っています。現在私が取り組んでいるオムニチャネルの仕組みも、最終的には店舗営業につなげ、お客様に喜んでもらえ、お店が儲かり、給与があがって従業員もハッピーになるというサイクルをつくりたい。そうしないと小売業界全体が疲弊したり、新たに小売業界に入ってくる人が少なくなっていくのではないかと懸念しています。

また、個人としては引き続き情報発信を続けると共に「どうしたらもっとマーケターやECの責任者を増やしていけるか」を今後の課題として考えていきたいと思っています。最近、他社の方と話す中で、テクノロジーやツールは優秀になったけれども、それを自社にどう取り込むか、それ以前に自社のデジタルやオムニチャネルをどのように展開していくかといった戦略を描ける人が事業会社にいない、という悩みをよく聞くようになりました。会社レベルではなくEC業界全体の課題として、人をつくっていくためにはどうすればいいか、これからじっくり考えていきたいと思っています。

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2017年6月14・15日(水・木)にホテル椿山荘東京にて行われる マーカスエバンズ CMO Japan Summit 2017 講演者としてご登壇いただく川添隆氏に、メガネスーパーでのEC売上アップにつながった出来事、チームの組織づくり、また今後の目標についてお話を伺いました。

川添 隆 氏

株式会社メガネスーパー デジタル・コマースグループ ジェネラルマネージャー

“オムニチャネルに取り組むことで小売業界全体の地位をあげていきたい”

過去のご聴講者
  • ピーチ・ジョン  マーケティング本部 取締役  本部長
  • ユナイテッドアローズ   事業支援本部  デジタルマーケティング部部長
  • ボッシュ  コーポレートコミュニケーション部  ジェネラル・マネージャー
  • クノール食品 代表取締役
  • アサヒビール デジタルマーケティング部長
  • ロッテ マーケティング統括部 デジタルマーケティング部 部長
  • ライオン  宣伝部  部長

    and more...

CMO Japan Summit  について

今年で7回目となるCMO Japan Summit は、マーケティングの第一人者であるご講演者・ご聴講者・ソリューションプロバイダー企業が集結し、基調講演・プレゼンテーション・パネルディスカッションのほかに、コーヒーブレイク・ネットワーキングランチ・カクテルパーティーなど交流の時間も挟みながら、マーケティング課題やビジネスチャンスについて討議するシニアマネジメント層のためのビジネスイベントです。

Copyright © 2017 Marcus Evans. All rights reserved.

今年のご講演者
  • ドミノピザジャパン CMO  富永朋信
  • Apple  元クリエイティブディレクター ケン・シーガル
  • オイシックス CMO 西井敏恭
  • メガネスーパー デジタル・コマースグループ ジェネラルマネージャー 川添隆
  • Peach Aviation 執行役員 チーフチャネルオフィサー COO  森井理博
  • スターバックスコーヒージャパン  デジタル戦略本部 デジタルマーケティング部 部長  長見 明
  • IDOM マーケティングチーム チームリーダー 中澤 伸也
  • エイチ・アイ・エス  本社オープンイノベーション事業部  部長  村松知木
  • インテリジェンス  マーケティング企画統括部エグゼクティブマネージャー 木下学
  • パルコ メディアコミュニケーション部 山口豪

    and more...

2017年6月14 - 15日 (水・木)

ホテル椿山荘東京

お問い合わせ先:

マーカスエバンズ  坂井智華 chikas@marcusevanskl.com

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